音楽

米津玄師の新曲「Flamingo」を聴いてキメラみたいな曲だと思った話。

 

米津玄師の新曲「Flamingo」が公開されて3時間17分で100万回再生突破したそうで。

 

ニコニコインディーズのアングラの底みたいな所から出てきた存在が今や日本を席巻するシンガー。前作の「Lemon」で知名度を爆発的に伸ばしたと思った矢先にこの新曲….

 

 

この人が元来持ち合わせている「変態性」を前面に押し出したキメラみたいな曲だと思いました。

 

生物学における キメラ (chimera) とは、同一の個体内に異なる遺伝情報を持つ細胞が混じっている状態や、そのような状態の個体のこと。嵌合体(かんごうたい)ともいい、平たく言うと「異質同体」である。

 

「違和感」と「変態性」

 

この人って元々JPOP然としたメロディーのなかに不協和音すれすれの音をはめ込んで印象付けたり

 

 

肉声をサンプリングしてトラックに当て込み、曲にいい意味での違和感を持たせるのがめちゃくちゃに上手い人だと思っていて

 

 

その米津玄師の持ち味の「違和感」「変態性」って彼が売れて認知度が上がる程に表題曲では鳴りを潜めていったというか、上記に挙げた「Lemon」「くぇっ」みたいなサンプリング音であったり、

「さらば掲げろピースサイン〜」の数秒後に一瞬キーが移調していたりと、98%くらいは大衆に向けたJPOPを作っているんだけど「いやいや俺の真髄はそこじゃねえから」と残りの2%に彼の独自性をひっそりと忍ばせているって印象でした。

 

それが新曲「Flamingo」ではもう完全に振り切りに振り切った。

 

他ジャンルを掛け合わせたキメラのような楽曲

 

この曲、リズムであったりスネアの音だったりリズムの上に乗っかってるボーカル音をサンプリングして切り刻んで再構築している音が入っている部分は完全にhiphop(特にトラップ)の文脈から引っ張ってきていて、洋楽くさい始まり方をするんですが

歌詞は井伏鱒二や三島由紀夫など、所謂文豪達の言葉を咀嚼して現代風にアウトプットした歌詞になってるんですよね、しかもサビ以外のメロの母音が全て「い」で終わらせて韻を踏んでる手の込みよう。

ここからサビで「ふらっふらっふらっフラミンゴ〜」というキャッチーなJPOPに帰結したと思ったら二番Aメロからは日本民謡のような歌い回し。

リズムと中央で鳴ってる音は上記でも挙げたhiphopのリズムとボーカルのサンプリング音なんだけど、ウワモノで左右で鳴ってる音はゴスペル、でも主旋律は日本民謡

いや意味わかんないでしょ、俺も自分で書いててわけわかんなくなってきたもん。

でもその「違和感」「気持ち悪さ」が癖になって何度もループしてしまう中毒性になってるんですよね、「こんなとこにこんな音入ってたんかい!」みたいな発見がめちゃくちゃある。もう50回は聴いた。

 

素晴らしい作品の共通点

 

素晴らしい作品って子供や老人が観たり聴いたりしてもわかる「明快さ」と、誰かと考察して議論したくなるような「奥深さ」がいい塩梅でマッチしていなければいけないと思っていて(日本の映画で言えばジブリ作品、エヴァ、シンゴジラのような。)

そのバランスがこの楽曲およびMVではとれているなと(これに関しては米津玄師の楽曲を可視化させたMV監督の手腕だと思うけれど。)

 

MVの考察や、トラックに散りばめられた良い「違和感」を発見するために何度もループしてしまう、もはや合法ドラッグ。

本来混じり合うことのないジャンルを掛け合わせたキメラみたいな曲だと思いました。

 

 

きょうはこのへんで、それでは。