アニメ

『ルパン三世 カリオストロの城』の冒頭10分は何故あれほど美しいのか。

 

いわずと知れたアニメ映画界の巨匠、宮崎駿監督が初監督作品として手がけた『ルパン三世カリオストロの城』を観ました。

 

宮崎駿監督が手がけたジブリ作品はすべて観ていたんだけど、カリオストロの城に関しては幼少期に金曜ロードショーで放映されていたものを飛び飛びで観たくらいで全く記憶になく、ほぼ初見の状態での鑑賞。

 

 

 

 

 

 

 

 

名作中の名作

 

 

 

なんで四半世紀以上生きてきてこんな素晴らしい映画を観てこなかったんだ頼む誰か俺を殴ってくれ

 

駿マジパネェ、この映画が作られた1979年だぜ???製作期間は4ヶ月半、限られた予算でこんな突貫工事でこのクオリティ….

 

あまりにも最高だったから今更すぎるけど解説させてくれっ!!

 

 

開始早々ルパンと次元が国営カジノの金庫から大量の金を盗み逃亡

追っ手がやってくるも、追っ手の車には仕掛けが施してあり乗った途端バラバラに、そして愛車のフィアット500に乗り込み颯爽と逃亡….

盗みが成功し喜ぶ二人だったが札束がゴート札という偽物だと分かり札束を車外へばら撒く

そしてオープニングへ…

 

ここまでで約2分、ルパン見たことない人でもこの二人は凄腕の泥棒で、今回の旅の目的は「ゴート札という偽札の真相を暴きに行く。」って分かる、えっ早すぎない?まだカップラーメンできてないんだけど….

このルパン達が車の中の札束を走りながら外に放り投げる絵面の美しいこと美しいこと….

しかもこのシーンでルパンって人間は金だけが目的なんじゃなくて、知りえない謎を解き明かすっていう男のロマン(過去の因縁を晴らしにいくってのもあるけど)を追ってるっていう部分も垣間見得るんですよね。いや情報量多っ

 

目的地があるカリオストロ公国へ到着したルパン達、道中タイヤがパンクしルパンが次元へ一言「おい」おもむろにジャンケンを始めるルパンと次元。

ほんの数秒しかないシーンなんですけどここほんと最高で。ルパンと次元の間柄が分かる瞬間なんすよ、旅の道中こういうトラブルなんて沢山あっただろうし喧嘩も数え切れないほどしてきて、修羅場もくぐり抜けた二人だからこそ語らず動じず、通じあう阿吽の呼吸。

その結果が「おい」って一言なんだろうなあとか思ってたらちょっと泣けてきた、クソッまだ5分も経ってねえってのに….

 

次元がタイヤを修理する間、つかの間の休息をとるルパン。

その静寂を切り裂くように後方から車の音が…

車を猛スピードで運転する花嫁姿の美女と、それを追いかける数人の黒ずくめのいかにも悪そうな奴ら、

フィアットをぶっ飛ばし車を追うルパンと次元。

「どっちにつく?」「女ぁ!」「だろうな!」

 

もう一度言いますけどこの映画作られたの1979年っすよ?こんなイカしたメインヒロインの登場の仕方ある???

そしてこの市の五の言わず女性の味方をするルパン

…そういうとこ!!あんたがモテるのそういうとこよ!!!

 

別アレンジのルパン三世のテーマが流れ始まるカーチェイス…

 

 

 

最the高

 

 

 

このシーン以外にも散りばめられているんだけど、実写では絶対に再現出来ない「アニメだからこその手法」がめちゃくちゃ良い。

 

手榴弾ぶつけられて粉々になったフロントガラスを肘で砕くシーンとか、崖を車で登ってしまうシーンとか漫画的でコミカルでとにかく名シーンの連続。

 

ジョージ ルーカスが「宇宙で音がでることはない。
ビームを出す音だったり、
爆発の音だったりはしない」って言われて

「俺の宇宙では出るんだよ」

って名言を残したそうだけど、ほんとそれ。

 

パヤオのルパンではフィアット500が爆速で走るし壁もよじ登る。

それでいいんだよ!

 

カーチェイスのシーンは語りきれないくらい素晴らしいシーンの連続なので是非観て確かめていただきたい。

 

 

 

冒頭10分でこれ。ゴート札という偽札の真相を暴くという目的と、攫われた美しい少女を助け出すという目的、この二つが物語の軸になるんだなってのが10分でわかる。今日コンビニで俺が買ったチヂミについてるタレを電子レンジで爆発させたジジイでも理解出来るレベルの構成力。

そしてスティーブンスピルバーグが「映画史上、最も完璧」と評したカーチェイスシーンまでついてきて10分。

おかしくない??時空歪んでんのかな???

 

冒頭10分に濃密すぎる構成と男のロマン、宮崎駿の美意識がすべて詰め込まれています、勿論それ以降も素晴らしいので是非とも観ていただきたい。